当分会が7月14日に配布した団体交渉報告の組合機関紙について、貴社は「『11月労働者総決起集会』について記載されているのは、『会社内及び会社の敷地内での政治活動・宗教活動等をおこなわないこと』の違反にあたる」と、Ｔ分会長に対して通知とともに聴聞の呼び出しをおこなっている。

しかし、この通知及び聴聞呼び出しは、労働組合結成と正当な組合活動に対する妨害であり、明確な不当労働行為（労働組合法7条）である。

　労働組合の定義は労働組合法第2条で規定されている。「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体」とするものである。

　すなわち、労働者階級の地位向上について、どのような道筋・方法でかちとるかについては、賃金交渉などの労使交渉に限定されるものではなく、労働組合の自主的な判断でおこなわれるべきである。

　したがって、広く様々な労働組合が、上部団体の如何に関わらず、戦争反対や憲法改悪反対、あるいは民営化・規制緩和反対などを掲げた集会を主催し、あるいは呼びかける活動をおこなっている。
　貴社は、こうした事実を認識しているのであろうか。

　ところで、「握り」ＮＯ４で呼びかけた「１１月労働者総決起集会」とは、同紙面に記載されているハンギョレ新聞報道での「６・２９サミット粉砕デモ」と同じく、国鉄千葉動力車労働組合（動労千葉）などの３つの労働組合が呼びかけ、全国の労働組合が結集している集会である。当労働組合として、この趣旨に賛同して参加を呼びかけているのである。この正当な組合活動を「政治活動・宗教活動」として妨害することを、断じて容認することはできない。７月１３日の団交で、「不当労働行為はしない」と成田社長をはじめ言明した舌の根も乾かぬうちに、分会長への不当な処分を策動することに対して、厳重に抗議する。

　また、貴社の就業規則にある「服務規律」そのものが不当である。「集会・結社の自由、表現の自由、選挙権、信教の自由」は、憲法によって保障されている権利である。就業規則で得手勝手に規定したからといって、規制できるものではないことは明らかである。まして、今回のように、通常の業務に支障を生じさせたわけでもないビラ配布に適用することは、恣意的な組合妨害である。

　以上のとおり、今回の「通知」を当組合は断じて認めない。したがって、宅見分会長に対する聴聞呼び出しについては、拒否する。これ以上、分会への妨害行為を続けるようであれば、当組合として法的手段を含む抗議活動をおこなうことを通告するものである。

以上